神奈川県座間市のdts 地上デジタル放送受信相談・一級有線テレビジョン放送技術者・ホーム共聴・共同受信



地上デジタル放送受信診断と改修のはなし

事例1.R南林間様(神奈川県座間市)


2007年12月地上デジタル放送の受信調査を実施しました。既設設備の構成は次のとおりです。

●東京タワー向け1〜12チャンネル用VHFアンテナ
●tvk向けのUHFアンテナ
●BS専用アンテナ

1.既設アンテナの受信レベル測定
 東京タワーからの地上デジタル波は一通り受信できているものの、どのチャンネルも必要なレベルの50dBを下回っている状態。21chのフジテレビの入力が最も低くて、ブースターの入力42dBしかありません。これよりも周波数の低い18chのtvkも地元ローカルなのに44dBしかありません。原因は今付いているアンテナが東京タワーに向いていないことと、アンテナの規格が地上デジタルが放送されている周波数18〜28chを受信するのに適した長さに合っていない、つまり波長が合わないことが原因のようです。

2.受信増幅器(ブースター)の状態
受信増幅器はVHF/UHF専用のものと、BS専用の2種類の増幅器が並列に設置されていました。このうち、メインのブースターの出力でVHFの1・3チャンネルに縞模様が発生していました。入力レベルはそれほど強くないのになぜだろう?と思い、BSブースターの電源を抜いたとたんに正常な映像になりました。どうもBSブースターが発振気味のようです。


3.受信アンテナ基地はこのように改修しました
●東京タワー向けの広帯域型のUHFアンテナを増設します
●地元ローカルのtvk向けのアンテナを広帯域型に交換します
●2本のUHFアンテナを地域専用の混合器を使って混合します
●CS110°対応のため、BSアンテナをBS/CS共用タイプに交換します

アンテナを東京タワーに向けてしまうと、tvk(横浜市鶴見区から電波が出ています)の受信レベルが下がりますし、アナログ放送の画質も劣化してしまいますから、地域専用の混合器を使用して2方向の電波を1つにまとめることにしました。
VHFアンテナはそれほど錆びや腐食もないので、あえて交換せず2011年までこのまま使用することにしました。

4.受信増幅器(ブースター)の交換

2で述べたメインBSブースターの発振現象もあり、それ以外のブースターも設置されてから10年以上経過しているため、すべてのブースターを交換します。CS放送対応のために、VHF〜CSまで対応する、一体型の機種を選びました。